帝国主義の時代~帝国主義の展開~

帝国主義と列強の展開

現代に至る、欧米諸国とイスラーム過激派組織ISISをはじめとするアラブ諸国の対立の根幹はここにあるのではないかと推察するにいたり、ここに書き記す。

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帝国主義とは?

資本主義の欧米列強国(イギリス、フランス、ドイツ、アメリカなど)が、非欧米諸国を自国の植民地や勢力圏に組み入れる。そのために、他の欧米諸国と競合し、対外膨張政策を展開した政治・経済・社会の覇権を握るための動き

帝国主義の時代とは?

政治的には1870年代以降、第1次世界対戦前における列強の世界政策の時代のことである。経済的には重化学工業を中心とした第2次産業革命期(後述)に相当する。

世界政策とは

欧米列強による積極的な対外発展政策である。

帝国主義の要因

第2次産業革命

19世紀後半になると石油電力を動力源に使う新しい工業や技術が開発された。重化学工業電気産業などを中心に多いに発展していった。アメリカやドイツを中心におこったこれらの工業生産の高度化を第二次産業革命という。

革命による変化

新技術により、鉄鋼のほか、アルミニウム、ニッケルなどの非金属が大量に生産。染料・肥料・ゴム・繊維などの化学合成繊維も生産されるようになった。
また、エンジン等の内燃機関・電動機・電灯・電話・ラジオ・自動車なども実用化されて経済活動と日常生活は大きく変動していった。

第二次産業革命の立役者は上述の通り、アメリカ合衆国ドイツである。19世紀末までに工業生産の1位、2位を占めるようになる。

ドイツの教育と科学力

ドイツのヴィルヘルム2世は高等教育機関での科学技術の開発を熱心に助成し、ドイツでは硬化系の専門大学も総合大学と同等のちいを得た。その結果、ドイツの科学力は世界一となり、世界の大学の手本とされた。

 

新エネルギー争奪戦

新エネルギーとして、石油、ゴム、錫、銅、亜鉛、ニッケルなどのヨーロッパでは産出できない、工業のための天然資源が必要となった。

工業原料の提供

それらの資源を算出するそれぞれの地域では、現地の安い労働力を用いて、プランテーションや鉱山が開発され、ヨーロッパの工業原料を提供した。

工業生産市場かつ投資先

また、1870年代の不況で国内需要が低迷する中、アジア・アフリカ重要な工業生産市場でもあり、過剰資本の投資家だった。

写真は1909年のインドの鉄道網。

国家的威信の問題~ナショナリズム~

帝国主義的な海外進出はナショナリズムを高揚させ、政治・経済に対する国民の不満を外にそらし、国内の政治的対立を隠蔽するという効果をもたらした。

文化的要因~オリエンタリズム~

欧米諸国内には、非ヨーロッパ地域の文化を軽視し、野蛮な有色人種にキリスト教とヨーロッパ近代文明の恩恵をもたらすことは白人のやむを得ない義務だ。という考えがひろまった。イスラーム教徒やインド人・中国人などにタイうる偏見は思想・文学・芸術などを通して、何度も何度も再生産され、ヨーロッパ人の思考意識を長らく支配した。この考え方をオリエンタリズムという。

帝国主義論者

19世紀の最後の四半世紀に顕著となった帝国主義的膨張政策はその時代に、批判的・科学的に解明され、帝国主義論の遺伝子として現代にに受け継がれている。

ホブソン

ジャーナリストとして南アフリカ戦争を目の前で経験を通じて、「帝国主義論」を著した。

輸出市場や資本の投下先を獲得するために、我田引水の発想で一部の企業家が、政府と大衆の世論に不当な非民主的影響力を行使して、自分に利益がもたらされるように我の利益を利己的に追求し、このような帝国主義は本来の資本主義からの逸脱である。とする考え。

帝国主義や植民地支配を資本主義の本筋から批判した。

レーニン

第1次世界大戦のスイスで亡命していた最中の1916年に『帝国主義論』~資本主義の最高の段階としての帝国主義~を書き著した。

帝国主義とは資本主義発展の最後で最高の段階である。と位置づけた

「帝国主義とは、独占と金融資本の支配が具体化する発展の段階にある資本主義のことである。この発展段階において、資本の輸出は明確な重要性をおび、国際トラストによる世界の分割が開始され、資本主義大国によって地球の全領土分割が完成された。」

レーニン「帝国主義論」

レーニンの帝国主義論は日本の歴史教科書にも大きく影響を及ぼした。

ヴェーラー

社会帝国主義論の親。

「工業化や不合理な経済発展を経験したがために、ドイツの国内では、富豪と貧民による激しい対立や政治的にも右派左派で論争を行っていた。それを、対外膨張政策を行うことにより、必要な国内改革を先送りにし、国民の一体化を図るといった意図的な政策だった。」と主張。

ジョゼフ・チェンバレンの説明にも用いられている。

ヒルファーディング

『金融資本論』を著した。帝国主義戦争の不可避を予言。

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