「森づくりは道づくり」~林道ってどんなの?~

林学

全体としてのみ把握していているのが、
多くの林業の現状だとおもわれますが、

林道をきちんと整備することで、
一本一本の木を把握することができるようになります。

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森林路網の役割

  1. 林産物の搬出
  2. 人間及び資材の搬入
  3. 森林の単木管理
  4. 森林の見回りと管理
  5. 災害時の消化復旧活動
  6. 山村住民の交通手段

森林機械と林道

ハーベスターの機械は大きく、
森林の木々の根を痛めてしまうおそれがある。

林業の大型機械を用いて、
気を切ったり運んだりします。

機械の20mぐらいしか木は伐採できず、
また、機械の幅を考えると8mの空間が必要です。

つまり、対向車線も考えると林道は16mの幅で設置しないと、
効率よく木々が伐採できません。

つまり、林道~森林~林道の幅
つまり道路から道路の間隔は
8+20+20+8で56mの幅が必要です。

しかも、これは平地の話で、
山地の場合は、斜面に応じて、
機械のアームの伸び幅が
短くなるので、
三角関数を用いて、算出し、
56mより短い幅に
設定しなければいけません。

 機械の組み合わせを考える

  1. 伐木方法と集材機会が決まれば、集材方法が決定する
  2. 造材機械を選択し、機械の組み合わせが決まる。

道路密度

林道の幅の場合分け

100m/haの場合

1haは100m×100mなので、
1haの区画の真ん中に直線の道路が一本入っていることになります。

1haの森林

隣接する1ha区画に、
どまんなかに100mの道があるとします。

つまり、林道の間の幅は
林道はどまんなかですから、
100÷2で50
50+50で100mになります。

200m/1haの場合

1haは50m×200mでもありますよね?
つまり先ほどの方法で行くと、
林道の間隔は25mと25mの間で、
50mとなります。

50m/1haの場合

1haは200m×50mでもあります?
つまり先ほどの方法で行くと、
林道の間隔は100mと100mの間で、
200mとなります。

林道間隔の計算式

ということで、
以下の計算式が導きます。

林道間隔(m)=1ha÷林道密度(m/ha)
1ha=10000m2
よって、
林道間隔(m)=10000m÷林道密度(m/100000m)

林道密度の計算式

では、林道密度も先ほどの式からこういうことがいえますね?
林道密度=10000÷林道間隔

最適な林道間隔

マチェス(Matthews)

林道解説費と林道間隔をグラフ化

工事中

林内路網密度の国際比較

この図から林道の間隔がわかりますね。
オーストリアは日本と同じ山国であるにもかかわらず、
山道密度が高いのです。

日本の林道間隔は10000÷約20=500m。
オーストリアの林道間隔は10000÷約100=100mですね。

参考:森林林業再生プラン

今後の路網の区分

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林道

誰でも利用できる公共的な道路

林業専用道

主に林業従事者が使用する恒久的設備

トラックが走ることも考えている

  • 設計速度15km/h
  • 設計勾配9%

森林作業道

林業事業者のみが走る道路。林業機械が主として走る。

勾配

  • 2分勾配=20cmの幅に対して1mの高さ
  • 1.5分勾配=15cmの幅に対して1mの高さ

車道幅員と機械サイズ

0.16m3くらすなら道路の幅員は2~2.5

0.26 3~3.5

0.45 4.0以上

機械は大きければいいというものではありません。
道幅に応じて、道路の幅を大きくする必要があります。

ただ、日本は間伐が多いので、細い林道を作っていますが、
収穫期になると大きい機械が必要ですので、
いま日本はちょっとしたジレンマに陥っています。

路網と作業システム

低密路網

  • 架線集材
  • 広い管理面積
  • ボリューム単位の取り扱い
  • 皆伐作業

高密路網

  • 林内作業車・スイングヤーダ
  • 狭い管理面積
  • 単木単位の取り扱い
  • 択伐・小面積皆伐・複層林・列状間伐

傾斜と機械

道路間隔が大きくなると、小さな機械では伐採ができなくなります。
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まとめ

「森づくりは道づくりである」

参考

  • 2016年5月10日
    愛媛大学農学部
    山田容三教授
    「森林利用学」第4回
  • 路網と作業システム
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林学
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