全体としてのみ把握していているのが、
多くの林業の現状だとおもわれますが、
林道をきちんと整備することで、
一本一本の木を把握することができるようになります。
森林路網の役割
- 林産物の搬出
- 人間及び資材の搬入
- 森林の単木管理
- 森林の見回りと管理
- 災害時の消化復旧活動
- 山村住民の交通手段
森林機械と林道
ハーベスターの機械は大きく、
森林の木々の根を痛めてしまうおそれがある。
林業の大型機械を用いて、
気を切ったり運んだりします。
機械の20mぐらいしか木は伐採できず、
また、機械の幅を考えると8mの空間が必要です。
つまり、対向車線も考えると林道は16mの幅で設置しないと、
効率よく木々が伐採できません。
つまり、林道~森林~林道の幅
つまり道路から道路の間隔は
8+20+20+8で56mの幅が必要です。
しかも、これは平地の話で、
山地の場合は、斜面に応じて、
機械のアームの伸び幅が
短くなるので、
三角関数を用いて、算出し、
56mより短い幅に
設定しなければいけません。
機械の組み合わせを考える
- 伐木方法と集材機会が決まれば、集材方法が決定する
- 造材機械を選択し、機械の組み合わせが決まる。
道路密度
林道の幅の場合分け
100m/haの場合
1haは100m×100mなので、
1haの区画の真ん中に直線の道路が一本入っていることになります。
隣接する1ha区画に、
どまんなかに100mの道があるとします。
つまり、林道の間の幅は
林道はどまんなかですから、
100÷2で50
50+50で100mになります。
200m/1haの場合
1haは50m×200mでもありますよね?
つまり先ほどの方法で行くと、
林道の間隔は25mと25mの間で、
50mとなります。
50m/1haの場合
1haは200m×50mでもあります?
つまり先ほどの方法で行くと、
林道の間隔は100mと100mの間で、
200mとなります。
林道間隔の計算式
ということで、
以下の計算式が導きます。
林道間隔(m)=1ha÷林道密度(m/ha)
1ha=10000m2
よって、
林道間隔(m)=10000m2÷林道密度(m/100000m2)
林道密度の計算式
では、林道密度も先ほどの式からこういうことがいえますね?
林道密度=10000÷林道間隔
最適な林道間隔
マチェス(Matthews)
林道解説費と林道間隔をグラフ化
工事中
林内路網密度の国際比較
この図から林道の間隔がわかりますね。
オーストリアは日本と同じ山国であるにもかかわらず、
山道密度が高いのです。
日本の林道間隔は10000÷約20=500m。
オーストリアの林道間隔は10000÷約100=100mですね。
参考:森林林業再生プラン
今後の路網の区分
林道
誰でも利用できる公共的な道路
林業専用道
主に林業従事者が使用する恒久的設備
トラックが走ることも考えている
- 設計速度15km/h
- 設計勾配9%
森林作業道
林業事業者のみが走る道路。林業機械が主として走る。
勾配
- 2分勾配=20cmの幅に対して1mの高さ
- 1.5分勾配=15cmの幅に対して1mの高さ
車道幅員と機械サイズ
0.16m3くらすなら道路の幅員は2~2.5
0.26 3~3.5
0.45 4.0以上
機械は大きければいいというものではありません。
道幅に応じて、道路の幅を大きくする必要があります。
ただ、日本は間伐が多いので、細い林道を作っていますが、
収穫期になると大きい機械が必要ですので、
いま日本はちょっとしたジレンマに陥っています。
路網と作業システム
低密路網
- 架線集材
- 広い管理面積
- ボリューム単位の取り扱い
- 皆伐作業
高密路網
- 林内作業車・スイングヤーダ
- 狭い管理面積
- 単木単位の取り扱い
- 択伐・小面積皆伐・複層林・列状間伐
傾斜と機械
道路間隔が大きくなると、小さな機械では伐採ができなくなります。
まとめ
「森づくりは道づくりである」
参考
- 2016年5月10日
愛媛大学農学部
山田容三教授
「森林利用学」第4回 - 路網と作業システム
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