費用便益分析(Cost Benefit Analytic)
公共事業をやるか?やらないか?の判断のための手法です。
自治体はこれを行うことを義務づけられています。
事業を行うための費用(Cost)と事業がもたらす便益(Benefit)と比較することにより、事業の効率性を分析する方法。
純便益(B-C)の現在価値が1を上回れば、事業が正当化される。
現在価値
時間選好に基いて、将来の価値を現在の価値に割りびいたもの。
たとえば、1年後130万円になるものでも現在価値100万円で割り引くと30%ですね。
これが割引率rです。
費用便益分析(CBA)の問題点
- 費用の中に外部不経済が反映されていない場合が多い。
- 事業の衡平性を判断できない。
- 世代間の公平性を保証しないといけない。
非市場財の価値
非市場財とは?
市場で取引されない財、例えば環境のような公共財のこと。
環境の価値
環境の価値とは利用価値と非利用価値に分類され、前者は直接的利用価値と、間接的利用価値に分かれて、後者はさらに存在価値とオプション価値に分類される。
森林の例
直接的利用価値・・・林産物
間接的利用価値・・・レクリエーション
存在価値・・・土砂災害防止機能
オプション価値・・・将来での利用可能性
非市場財の評価手法
ヘドニック価格法
地価や労賃の中に環境が反映されていると仮定し、環境の寄与度(限界価値)を環境価値とする。
価格
財の属性の価値の合計である。
例
P=f(x1,x2,x3,xn)
P:地価
x1:環境
x2:交通の便
x3:学校
θP÷θx1=限界価値です。
問題点
- 地下や労賃に反映されるような環境価値しか計測できない。
- 土地や労働に完全競争市場が成立していることが前提となる。
- 統計処理上の問題
トラベル・コスト法
来訪者の支払った旅費を集計して、環境評価とする。
問題点
対象の社会的評価、関心に左右される。
仮想評価法(CVM法)
英名:Contingent Valuation Method
環境へのWTP(willingness to pay/支払意志額)や
WTA(willingness to accept/受入補償額)を住民に尋ねて
集計して環境価値とする。
問題点
- アンケートデザインの影響を受ける。
- WTPとWTAの乖離(WTP<WTA)
- 調査コストがかかる。
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