ロックといえば国王が国民の安全を保障する代わりに、国王による絶対王政も受け入れるべきだとする王権神授説を批判し、悪政をはたらく国家への抵抗権を主張し、フランス人権宣言やアメリカ独立戦争に影響を与えた政治学者として有名ですが、実は経済学にも貢献したのです。
ロックの自然状態の考え方
ロックは自然法を通じて、
- 自由
- 平等
- 平和
の権利を神から与えられると考えました。
ちなみに社会契約論の著者として知られるルソーはこれに加えて独立も与えられるということとした。
自然法
神が人間に共有するよう命じたルール。あらゆる時代、あらゆる場所に適応されるとしている。憲法や法よりも優先される。
私的所有権
「自然が与え、そのままにしておいた状態から彼が取り出したものは何であっても、彼はそこで労働をそれに加え、…彼の所有権が発生するのである。」
『全訳 統治論』「第5章 所有権について」
[amazonjs asin=”4760114181″ locale=”JP” title=”全訳 統治論 (ポテンティア叢書)”]
ロックは「労働によって資源が増える」という考えを持っていた。
彼が定めた私的所有権の概念は経済学の重要なテーマ、「分配」や「交換」には不可欠なものである。
私的所有権の具体例
土地を借り、機械を使って耕作する農家がいるとします。
農家が作物を販売し、売上を上げ、お金を得ました。
ここで問題です。土地や機械の代金を支払う相手は誰でしょう??
それは考えるまでもなく、土地を持っている人と機械を持っている人、
つまり、それぞれの所有権をもつ人に対して支払いますよね??
もし、所有権がなかったら、どうなるでしょうか?
誰に対して支払えばよいのかわからなくなり、
揉めてしまいます。
交換での具体例
「ミカン」と「リンゴ」を交換することとしましょう。
ミカンとリンゴはいったい誰のものなのでしょうか?
この場合は、私に所有権のあるミカンと、交換相手に所有権のあるリンゴを交換することです。所有権という概念がないと、交換は成立しません。
自由と所有
自由な人々は、契約に基づく労働の対価として、賃金を得たり、あるいは狩りなどの自発的な労働に対して、資源が獲得できます。これら全ての財産には所有権が存在するとしました。
コメント