アリストテレス的自然観から抜け出そうとした人々は、イギリス経験論(帰納法)にたどり着きます。
フランシス・ベーコン
フランシス・ベーコン(1561~1621)はイギリスの政治家でもあり、中世のスコラ哲学の研究者でもありました。
彼は三位一体説や普遍論争といった神学分野の説明では、
科学の新しい発見はなしえないと考えました。
さらに、そうした中で、神学は実際の生活とかけ離れた空論にすぎないと考えるようになりました。
ありのままの自然観察や実験から得られた事実から共通する部分を見つけ、そこに共通する普遍的な法則や本質を見いだす考え方を提案しました。自然探求は人類に福祉をもたらすことだと提案します。
彼は「知は力なり」と発言し、「人間の知識と力は一致する」と主張しました。
これは、感覚的経験に基づく科学的な知識は、人間が自然を支配する力となる。
しかし、これで人間は自然に逆らうということではなく、
むしろ人間が自然に従うことで、自然を支配するというやり方なのです。
イドラ
人間が観察する上での偏見や先入観という意味です。彼はイドラを排除して観察・実験することが大事だと述べました。人間には4つのイドラが存在すると彼は言います。これによって、誤った議論や推論が行われました。
種族のイドラ
人間という種がもつ偏見。
錯覚。反対説無視など。
洞窟のイドラ
個人の狭い視野による偏見。
フェティシズム(性癖)や好き嫌いなど。
市場のイドラ
言葉遣いや噂による偏見。
媒介しているものに関するものに対する偏見であろうか。
劇場のイドラ
伝統や権威を盲目的に信仰するという点。
いわゆる前例主義というやつではないだろうか。
つづき
いずれ加筆するかもしれません。
参考文献
[amazonjs asin=”4053043379″ locale=”JP” title=”倫理 パワーアップ版(別冊つき) (新マンガゼミナール)”]
[amazonjs asin=”4816330267″ locale=”JP” title=”哲学 (図解雑学)”]
コメント